変わる想いを貴方に捧げる

···陣痛

すったもんだの式だったが
晶さんがあまりにも綺麗で幸せそうで
それだけで、鈴音は嬉しかった。

「鈴音。もう失礼するぞ。」
「はい。でも和真さんは良いのですか?」
「ああ、かまわん。鈴音の方が大事だ。」
と、言って
手を差し出すから
手を握り立ち上がって
みなさんに挨拶をして帰宅した。

この所ずっと
和真は、優しく抱いていた。

それがかえって物足りないのでは?
と心配していたら
「これはこれで、また燃える。」
と、言い返されて
真っ赤になる鈴音に
和真は、
「俺の妻は、いつまでも初々しい」
と、笑うから
やっぱり、この人には
勝てないと思う鈴音だった。


鈴音は、悪阻にもあまり悩まされずに
過ごし予定日を迎えた。

ママと優ママも楽しみにしてくれていた。
今日も和真さんを玄関まで見送ると
和真さんが
「鈴音。何かあったらお母さん達と
必ず俺に連絡しなさい。」
「はい。和真さん慌てて来ないでくださいね
心配だから。」
「問題ない。チュッ」
と、キスをして出社していった。

和真さんが行って
朝の片付けをしていると
なんだか・・痛いなぁ・・お腹
と、思っていると治まり
ママには、連絡をした。

ママから
「何分おき?」
「うーん。25から30分位?」
「まだかな?」
と、話したがママは直ぐに来てくれた。

一応、浅野の優ママにも
連絡は入れた。

それからもママと話ながら家事をしていたが
う~ん、痛い!
ママを見ると
時計を見てから
病院に電話をしていた。

病院は、和真さんが入院したところだ。
(浅野家の指定病院)
陣痛の感覚が五分になり
分娩室に入ると間も無くして
和真さんが現れ
「鈴音、大丈夫か?」
「はい、和真さんごめんなさい。
お仕事」
「問題ない、鈴音の方が大事だ。」
と、言いながら
汗を拭いてくれたり
腰を揉んでくれたり
手を握ってくれたり
甲斐甲斐しかった。

「浅野さん、次に波がきたら
おもいっきり いきんでね」
「‥‥はいっ‥‥」
「あっ‥‥‥うっ‥‥ううううっ‥つう‥‥」
「鈴音っ!」
「‥‥‥おっぎゃ‥!!‥」
「はい、力抜いてね
よく、頑張りました
綺麗な男の子ですよ。」
と、鈴音の胸に赤ちゃんをおいてくれた。
鈴音は
「‥‥かっ‥わいい。ようこそ。」
と、いいながら和真を見ると
和真が
「ありがとう、鈴音。
坊主は、悠真(ゆうま)とする。」
「わぁっ、可愛らしい、ゆうくんだって。
ありがとうございます、和真さん。」

悠真は、直ぐに新生児室に行き
浅野の両親、海堂の両親
晶さんと秀斗先生が来て
喜んでくれていた。

次の日に、拓真さん、蒼真さん
風間さん、絢ねえと菊乃おばちゃまが
来てくれた。

もちろん、曾祖父様と王さんとも
テレビ電話で悠真を見せて話をした。

曾祖父も王さんも喜んでくれた。
お祖父様方も。
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