変わる想いを貴方に捧げる
☆☆6☆☆

···由季斗、絢


由季斗·····

何があっても
朝が来て会社に行かないといけない。

どうして·····俺は?
と、考えるが·····

そんなことは、決まっている
鈴音も絢さんも自分のもの。
と、言うことに浮かれていたんだ。

だから、人を傷つけるとか
回りを失望させるとか
考えていなかった。

鈴音とは、中々会えず
連絡も少なくなって
別れたようなものだと
思っていたのだろうか?
浅はかな······

絢さんは、毎日バリバリと
仕事をこなすカッコいい先輩で
憧れていて。
そんな絢さんが
落ち込む姿を初めてみて
同情したのだろうか?
弱さに漬け込んだのだろうか?

あれから・・・

もちろん、鈴音とは連絡とれていない。
絢さんとも仕事以外の会話はない。
全てが宙ぶらりんになっている。



絢······

あの日、父から家を出るように
言われて、週末までホテルに泊まり
不動産屋で部屋を借りれた。

取り敢えずその日から
入居可能と言うことで
必要なものを揃えてから
次の休みに入るようにした。

自分がふられて傷ついたからと
人を傷つけて良いわけではない。

鈴音のことが、気にならなかったのか
と、訊かれると
よくわからない・・・
たぶん、自分の事で精一杯だった。

あんなに可愛がっていた鈴音をとか
両親や鈴音の家族を巻き込んで
嫌な思いをさせ、
失望させる事になる・・とか

冷静になればわかることを
自分が楽になるなら
なんでもありだったんだ
と、思う。

でも、鈴音はもとより
叔父や叔母ににも
きちんと謝罪しなければ
と、思っている。

由季斗には、あれから
仕事の話し以外はしていない。

切なそうにしている
由季斗を見ると
手を伸ばしたくなるが
それは、おこなってはいけない。
と、自分を戒めていた。
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