変わる想いを貴方に捧げる

···鈴音の両親


玄関のブザーがなり
出てみると
由季斗君が鈴音を抱き抱えていた。
「えっ、由季斗君?」
「おばさん、ご無沙汰しています。
先日は、申し訳ございませんでした。
鈴音が気を失ってしまい・・」
「あなたっ、弦!
   りっ、鈴音が!!!」
直ぐに、弦さんがきて
由季斗を見てぎょっとした顔をしたが
鈴音を受けとり
ソファーに寝かせた。

玄関に戻ると
由季斗は、玄関前に立っていたので
「由季斗君、上がりなさい。」
と、声をかけた。
由季斗君は、
「おじゃまします。」
と、言って
私についてリビングにきた。

リビングのソファーにいる鈴音を
見て
「まだ、意識は戻りませんか?」
と、訊ねる
「気を失っているのか?
そのまま寝ているのか?
由季斗君、いったいどういう事」
と、由奈。
すると由季斗君は、正座をして
頭を下げた。
「先日は、鈴音を傷つけてしまい
申し訳ありませんでした。
今日は、鈴音に再び謝りたくて
鈴音の仕事が終わるのを待って
話しかけました。
鈴音は、始め俺を避けようとしましたが
話を聞いてくれて
俺は、今まで一度もきちんと謝罪して
いなかったので
きちんと謝り、
鈴音も受け入れてくれました。
それからは、伊野さんの話しや
鈴音の彼の話などをしました。
帰りに送ると話していたら
鈴音の彼が、すごい綺麗な人と
一緒に要るところをみてしまい
鈴音は、自分が泣いていることも
気づいていなくて・・・
あまりにも辛そうな鈴音を
思わず抱き締め
鈴音に泣いていることを
教えると涙をさわりながら
意識をなくしてしまいました。」
「そうか・・・そんなことが
由季斗君、ありがとう。」
と、弦。
「自分の家じゃなくて
ここに連れてきてくれたのね
本当にありがとう。」
と、由奈。
「考えなかったわけではありませんが
だけど、俺の家では
鈴音が嫌だろうと思い。」
「だったら、由季斗君だって
あんなことがあって
ここに来たくなかったでしょ。」
「俺は・・自業自得ですから。
俺より鈴音の方が心配でした。」

それから、お父さん達と
色々話した。
伊野さんの話もして
「会いに行って
きちんと気持ちを伝えたいと
思っています。」
と、言うと
「頑張ってみなさい。」
と、言ってくれた。
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