妖怪師匠と優雅な時間
「そういえば!
今週の日曜暇ですか?」

麗しい目が遠くを見る

「稲荷さんが何か面白いことに
誘ってくださるのでしたら
僕は予定を変えても行きますよ」

また笑って言う

「そんなこと言って
どうせ予定なんて入っていないでしょう」

大きく笑う

「まあ確かにその日は何もありません
ですが、稲荷さんに頼まれたら
予定なんて幾らでも変えられますよ」

なんてことを言っているんだこの人は

「まあ、それはそれとして
日曜日に骨董市があるみたいなんです
師匠アンティークとか好きでしょう?
よかったら行きませんか」

師匠の目が細く綻んだ

「それは楽しみですね
丁度欲しいものがありましてね
是非行きましょう」

庭先で鯉がばしゃりと音を立てた
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