ホワイトデーの約束
車に乗せられて着いて先は意外な場所だった。


「科学館?」
「あぁ、少し子供っぽかったか?」


どこか照れくさそうな先輩の姿は珍しくて、また彼の新しい一面を見れた気がする。


「そんなことないです。私、初めて来ました」
「それは良かった。まぁ、メインこっちだがな」


彼が指し示したのは、たくさんの星座が描かれたポスターだった。


「プラネタリウム・・・」
「ここのプラネタリウムは最新機器を使った3Dの映像が見れるんだ」


きっと気に入る、そう断言した彼に手を引かれて中に入る。

科学館には植物の化石や動物の剥製、スペースシャトルの模型など様々な展示物があり、中には体験型のブースなんかもあった。
先輩は私が興味を示したものを一つ一つ丁寧に説明してくれる。

こういうの好きなんだろうな。
ずっと見てきたはずのに、まだまだ知らないことだらけだ。
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