情熱的に愛して
人間、一つの事が吹っ切れると、もう一つの事も上手くいく。

「市川。」

門馬に呼ばれ、私は門馬の席に移動した。

「この話、聞いたか?」

見ると、私が出したお店の企画書だった。

「新しいブランドの立ち上げ、部長からOKが出たぞ。」

「ええ?本当に?」

私は、手を叩いて喜んだ。

「やったね。」

私は門馬に、手を差し出した。

「ああ。」

門馬は、私の手と自分の手を合わせてくれる。


遠くから清水係長の視線を感じるけれど、今はそんな事、どうでもいい。

この瞬間、幸せであればいいのだ。


「次は、計画書持って、あの店に行かなきゃね。」

「そうだな。」

門馬と話していると、楽しい。
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