情熱的に愛して
「ちょっと私、席外すね。」

「うん。」

募集の紙を持って、廊下に出た。


すると、誰かの声が聞こえてきた。

誰だろう。

私は、廊下の角に隠れた。

そっと覗いて見ると、門馬と清水係長だった。


「ねえ、知っているんでしょう?私の気持ち。」

「分かっているよ。分かっているけれど、俺達、終わっているじゃないか。」

なに、修羅場?

こんな時に、新商品の募集なんて、話せないよ。

私が、オフィスに帰ろうとした時だ。


「市川さんの事、どう思っているの?」

清水係長は、私の事を口にした。

「市川の事?」

「あの子に、気があるの?」

途端に、私の頬が赤くなる。

そんな率直に、聞かないでよ。
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