拝啓、何億光年先の雨より




「おっ!朝比奈ー!遅ぇよバーカ!」


「早く座って!朝比奈くん!」


「どこで何してたんだよー!」





……なんで、



なんで俺以外のクラスメイトが全員

ここにいるんだ…?



だって今は夕方だし…。


さすがにもう授業は終わっているはず。


みんなバイトだったり部活だったりと、
放課後は何かしてるのに、


何で全員揃っているんだ?



「ほら、早く座れって!」


腕を掴まれ、強引に椅子に座らされる。

俺の机の回りを、クラスメイトが囲む。



何だ、何なんだよ……。


この状況に、全く理解出来ていない。



俺の目の前、不自然なほど笑っている
クラスメイトに少し恐怖を感じた。


「なーにとぼけた顔してんだよっ!」

そう言って後ろから俺の肩をトンッと叩いた男。


…ムードメーカーの田崎だ。


「…田崎、何でみんなここにいるんだ?
何かサプライズでもあるのか?」


疑問に思ったことを、俺はそのまま田崎に言った。





途端、



田崎の笑みが消える。


さっきまで笑っていた顔は、眉間に皺を寄せ
険しい顔になっていた。

笑っていた他のクラスメイトも、一瞬で
その雰囲気を変える。



その異様な光景に、俺は生唾を飲んだ。



「た、ざき……?」



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