エリート上司の甘く危険な独占欲
 またもや胸が熱くなり、華奈は颯真を見た。

 こんなにも想われて、こんなにも愛されて。その感謝の気持ちをどう伝えたらいいだろうか。

「なあ、華奈。俺は華奈と結婚できて嬉しいんだよ。華奈と一緒に過ごせる時間がこれからずっとある。付き合ってるときみたいにデートや旅行もしたい。でも、それだけじゃない。この薬指にはめたお揃いの指輪が、俺には華奈を守る責任があるって教えてくれる。華奈とつながっているんだって夫婦の絆を思い出させてくれる。だからこそ、俺はがんばれる。でも、だからといって俺だけが華奈を守っているんじゃない。わかる?」

 華奈は小さく首を傾げた。

「会社から帰って華奈が作ってくれる夕食は、俺の一日の疲れを癒やしてくれる。一人じゃなく華奈と眠る夜は、明日またがんばろうって力をくれる。華奈の存在そのものが俺のエネルギーになるんだ」

 華奈は胸がいっぱいになり、颯真の頬をそっと両手で挟んだ。

「颯真さんの存在も私のエネルギーになります。颯真さん、大好き」

 その想いを込めて彼の唇にそっとキスをした。華奈の唇が離れたとき、颯真が唸るような声を出す。

「んー」
「ど、どうしたの? 具合でも悪くなった?」
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