エリート上司の甘く危険な独占欲
 華菜は頭を下げた。

「どうして謝るんだ?」
「私が海にネックレスを捨てるなんて愚かな行動を取ったせいで、部長がこうして濡れてしまったんですから」
「いや、俺の勘違いのせいだから。キミを失いたくない、と思ったら、ほかの可能性をなにも思いつかなかったんだ。探すのを手伝うよ」
「え、それは申し訳ないです」
「どうして? ここまで濡れたら一緒だよ」

 颯真が言って、ジャケットの袖を肘の上まで折り返した。

「すみません」
「気にするな」

 颯真はシャツの袖のボタンを外しながら問う。

「で、ネックレスを探せばいいの?」
「あ、いえ。小さな箱です。このくらいの」

 華奈は両手で箱の大きさを示した。

「なるほど。箱の方がネックレスよりも見つけやすそうだな」

 颯真がシャツの袖をまくって水中に手を入れた。

 上司にだけ探させるわけにいかない。華奈は急いで海の中を手探りする。

「この辺りで間違いないのか?」

 颯真が手を動かしながら言った。
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