エリート上司の甘く危険な独占欲
「ここから歩いて七、八分くらいのところに俺の部屋がある。シャワーを浴びて着替えて、明日、アルコールが抜けてからキミを車で送るというのはどうだろうか」
華奈は商業施設の方へ顔を向けた。ファッションフロアの明かりは消えていて、もう閉店しているのだとわかる。だが、たとえ開いていたとしても、ずぶ濡れで店に入ることはできないだろう。
だとしても、上のフロアの、仕事上の関わりしかない上司の部屋に行ってもいいものか。
華奈はチラリと颯真の顔を見た。
「キミをこのまま一人にしておけない」
彼のその言葉は、彼の眼差し同様、真剣そのものだった。
同じ会社の部下を心配しての言葉なのだろう。それでも、大好きだった人にあんなふうに捨てられた自分に、優しく手を差し伸べてくれる人がいる。ずたずたに傷ついた心には、それだけで嬉しかった。
「ありがとう……ございます」
颯真の左手が促すように華奈の肩に触れた。華奈は彼と一緒に浜辺に戻る。彼が大急ぎで海に入ってくれたことを示すように、紳士靴がビーチに乱雑に脱ぎ捨てられていた。彼がそれに足を入れるのを見ながら、華奈は自分のパンプスに近づこうとした。風がさぁっと吹いて、肌寒さに身を震わせる。
華奈は商業施設の方へ顔を向けた。ファッションフロアの明かりは消えていて、もう閉店しているのだとわかる。だが、たとえ開いていたとしても、ずぶ濡れで店に入ることはできないだろう。
だとしても、上のフロアの、仕事上の関わりしかない上司の部屋に行ってもいいものか。
華奈はチラリと颯真の顔を見た。
「キミをこのまま一人にしておけない」
彼のその言葉は、彼の眼差し同様、真剣そのものだった。
同じ会社の部下を心配しての言葉なのだろう。それでも、大好きだった人にあんなふうに捨てられた自分に、優しく手を差し伸べてくれる人がいる。ずたずたに傷ついた心には、それだけで嬉しかった。
「ありがとう……ございます」
颯真の左手が促すように華奈の肩に触れた。華奈は彼と一緒に浜辺に戻る。彼が大急ぎで海に入ってくれたことを示すように、紳士靴がビーチに乱雑に脱ぎ捨てられていた。彼がそれに足を入れるのを見ながら、華奈は自分のパンプスに近づこうとした。風がさぁっと吹いて、肌寒さに身を震わせる。