エリート上司の甘く危険な独占欲
 華奈の隣でトースターがチンと音を立て、クロワッサンが焼き上がる。

 颯真は二つの白い大皿にオムレツとリーフレタス、焼いたソーセージをのせ、クロワッサンを添えて、カウンターに置いた。コーヒーメーカーのサーバーを取り上げて、カップにコーヒーを注ぐ。

「砂糖とミルクは?」

 颯真に訊かれて、華奈は首を横に振る。

「どっちもいらないです」
「華奈はブラック派なのか」
「颯真さんは?」
「俺もだ」

 颯真は答えながら、華奈の隣のスツールに腰を下ろした。

「意外と俺たちは共通項が多いね」
「そうですか?」

 首を傾げる華奈の前に、颯真はコーヒーカップを置いた。

「ああ。同じように感じ合える」

 颯真が耳元でささやいた。それは昨夜のことを言っているのだろうか。そう思って、華奈の頬が朱を帯びた。

(確かにっ、初めてだったのに相性はよかった……っていうか、嫌なことが全部吹っ飛んで、意識まで持ってかれちゃうような快感は、初めての経験だったけどっ)

 さすがに“恋人にしたい男性ナンバーワン”である。
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