エリート上司の甘く危険な独占欲
食後にもう一杯コーヒーを飲んだあと、華奈はマンションの駐車場に案内された。黒のSUVに乗り込んで彼がエンジンをかけたとたん、スピーカーから低音量でしっとりとしたジャズが流れ出す。
「あ、この曲」
聞き覚えのある曲だ。
颯真が少し嬉しそうな表情になって華奈を見る。
「華奈も知ってる?」
「いいえ……。タイトルとかも知らないんですけど、昨日、バーでもかかってたなって思って」
柊一郎とバーに入ったときに流れていて、胸に染み込む甘いテナーサックスの音色をいいな、と思ったのだ。
「そうだったのか。俺がバーに入ったときには違う曲が流れてたな。あのバー、酒もうまいけど、音楽の趣味もいいからよく行くんだ」
「そうなんですね」
会社からも離れているし、隠れ家的なバーだと思ったが、だからといって完全に会社の人間に会わないというわけではないようだ。
「BGM、変えた方がいいね」
颯真がオーディオに手を伸ばしたので、華奈は止めようとしてとっさに右手を伸ばした。その手が颯真の左手に触れてしまい、慌てて引っ込める。
「あ、いえ、変えなくて大丈夫です」
「本当に?」
「はい」
「あ、この曲」
聞き覚えのある曲だ。
颯真が少し嬉しそうな表情になって華奈を見る。
「華奈も知ってる?」
「いいえ……。タイトルとかも知らないんですけど、昨日、バーでもかかってたなって思って」
柊一郎とバーに入ったときに流れていて、胸に染み込む甘いテナーサックスの音色をいいな、と思ったのだ。
「そうだったのか。俺がバーに入ったときには違う曲が流れてたな。あのバー、酒もうまいけど、音楽の趣味もいいからよく行くんだ」
「そうなんですね」
会社からも離れているし、隠れ家的なバーだと思ったが、だからといって完全に会社の人間に会わないというわけではないようだ。
「BGM、変えた方がいいね」
颯真がオーディオに手を伸ばしたので、華奈は止めようとしてとっさに右手を伸ばした。その手が颯真の左手に触れてしまい、慌てて引っ込める。
「あ、いえ、変えなくて大丈夫です」
「本当に?」
「はい」