口づけは秘蜜の味
意味するもの、解読したら

読んでみてビックリした…なんてストレートな言葉!
まさか!そんな意味が!!

「最初の偶然を逃したくなかったから…あの日は出張中の弟の代わりに入院するのに母親の付き添いに来ていた彼女を迎えに行ったのに……あんな態度でな……
弟と大喧嘩してたらしいんだ」

「そうだったんですね…」

「同級生だからってとばっちりだよ完全に…」

そして、弟さんから御見舞の花束を依頼されていたらしく
持っていったのにそれと怒りに任せて指輪まで投げられたんだそうだ

ちょっと激しい性格の女性なのかもしれない…

「食事に誘った日から…考えてたわけだ…
これで、オレが前から好きなのは舞花だって分かっただろ?」

「でも?え?望みはなんだって……」

私は軽いパニックに陥っていた

口封じの為じゃなかったの?

「あれは……恋人になろうとして…何か言って欲しいのに予想外にキミが逃げるからびっくりしたよ……
キミを最初に抱いたのも流されたんでも気まぐれでもないよ…元々好きだったからだ……なのにサッサと、逃げ帰るし……」

そ、そんな、恨み節のように言われても
あれじゃあ分かりにくいです!
それに……婚約者がいると思ったから!


「だから暗号を考えたんだけど?…伝わらなかったか…」

雅哉は不思議そうな顔をしていたけれど
そんな暗号すぐに解けません!

「解りにくすぎです!」

「それはすまなかった……」

ストレートに言ってくれればいいのに!
…でも婚約者がいると勝手に勘違いしたのは私だ

「早く言ってくれれば!」

自分も言わなかったくせに贅沢だとは思ったけれど
叫ぶと雅哉さんは私の唇に人差し指を添えて這わせた

「……ごめん……黙って…」

「ん…」

そのまま…角度を変えて何度も……啄むようなキスが落ちてきて

段々と深くなりお互いの舌が熱を分かち合うように追いかけて絡む……

雅哉さんの指がもどかしそうに首筋をたどるから
身体が愛おしさに痺れてしまう

「やっぱり可愛いな舞花…」

甘い甘いバリトンが私を蕩けさせる

< 41 / 49 >

この作品をシェア

pagetop