口づけは秘蜜の味
「雅哉さん…有り難う」

一度離れると心からそう伝える

こんな私を可愛いだなんて言ってくれて有難う……

雅哉さんが膝の上に抱き上げて抱っこするような形で二人で向かいあう

好きで…愛おしくて…近づきたくて

私は首に手を回して今度は私からは口づける

「可愛いな…そんなに可愛いことをされたら…我慢できなくなるぞ?」

雅哉さんこそ甘い…

いつしか主導権は雅哉さんに移って
甘い甘い口づけが心をとろとろに溶かしていく

クールで無表情な雅哉さん
だけどその内側は甘くて優しくて

熱い人なのだと知った

そんなこの人が好きで…もう、離したくないと思った

「有難う…」

もう一度そう呟くと

「んん………あのなぁ……有り難うより…欲しい言葉があるんだけど…それは貰えないのか?
……なぁ?暗号の答えは聞かせてはくれないのか?」

長い指が頬を撫で
見下ろす艶めいた瞳が真っ直ぐに私を見るから…

痺れて動けなくなる

だからそれに負けないように真っ直ぐに見つめて

「Yes Of course,I will!」

そう答えた

その私の答えに満足したのか

綺麗に唇を三日月のように引き上げて笑い…

雅哉さんは更に私の上唇を食むように口づけリップ音を鳴らした

「その答えしか許さないけどな?……なんてね…」

「やっぱり嘘ーなんて、嫌ですよ?」

恥ずかしくてつい、そんな事を言ってしまう
すると雅哉さんはちょっといじわるそうに呟いた

「どうだろうなぁ?…嘘だったりして……
なんて言うわけ無いだろう?一緒に幸せになって欲しい、舞花」

仕事でも、ロジカルでさらに言葉巧みな雅哉さん

言葉選びが巧みだ

「じゃあ甘い夢をみせてくください」

「もちろんずっと……最後まで…離さないから」

それは簡単な愛の暗号?

ちょっと、変わったプロポーズ…
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