あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。


十二月の終わりごろから、翔琉は 下に下りてきて欲しい と頼んで来るようになった。


だけど、それだけは断固として断り続けた。

どうしても。
下で会うことは嫌だった。

他人を信用なんかしない。
他人は信用出来ない。


いくら、翔琉と話すことが楽しくなってきても、私は相変わらず信用できなかった。


こんな私の本当の姿を見たら、どうなるかくらい、私が一番よく知っているから。

みんな私を見た瞬間、距離を置き、離れていく。

だったらずっと隠し通して、ただ毎日くだらない話で終わった方がよっぽど良い。

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