恋にはならないわたしたち


今まで三池の周りにはあまりいなかったタイプだ。


メールの着信音が耳に届く。


『お大事に』





・・・・・・え?

それだけ?




少し待ってみたけれど、それ以上の言葉は送られて来ない。

大丈夫?今日も看病に行こうか?
心配なの、何でもするよ、そんな言葉が来ると思っていた。



瑞穂の自分への興味のなさに思わず三池は吹き出したのだった。






◇◆◇◆





生まれる性別を間違えた。


女子として終わってる。


具合の悪そうな三池を見かけたのは偶然だった。バーベキューの間中、女の子が入れ代わり立ち代わり。話しかけるきっかけとしてお肉焼けてるとかわかり易い。


いいなあ、瑞穂だって勧めて欲しい。


けどあれ大丈夫?


牛はともかく豚の生焼けとかちょっと嫌かも。



バーベキューの会場になったのは大阪の少し郊外の、手ぶらでバーベキューと謳われる最近人気の場所だ。

瑞穂の家からだと電車の乗換が面倒で、車で来ていた。

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