恋にはならないわたしたち
しかし、三池の住むマンションは大阪市内の便利なところで高級感半端ないしなんか家賃が高そうだ。きっと銀行がくれる家賃補助なんかで住めるような物件じゃないのは世間知らずの瑞穂でも分かる。
男同士なら結構喋るし、飲みにも行くとは聞いていた。それが女の子が絡むと途端に口数が少なくなる。
あの見てくれやし苦労してるのかもね。
イケメンでかしこで高身長。おまけに住んでるところまでハイグレードとくれば、実家もそこそこお金持ちなのだろう。これはバレたら今以上に大騒ぎだな。
おぼっちゃま、インスタントやコンビニ飯なんか食べるやろか。まあ食べなきゃ食べないで何とかするだろう、そこまで瑞穂が気にすることないなとひとり納得する。
一応、メモを書いて電話番号も残しておくことにした。一晩面倒看るのもなんか違う気がするし。
もう一度寝室のドアをそっと開けて、よく眠っているのを確認してから瑞穂は三池のマンションを後にした。