恋にはならないわたしたち
月曜日の朝はなんだか気怠い。
瑞穂は本店1階の営業部に所属して後方事務をしながら諸々の銀行業務を覚えているところだ。
更衣室のロッカーに自分の荷物をしまう前にスマホをチェックするとメールが届いていた。
『土曜日はありがとう。おかげさまですっかり良くなりました。もしよければ金曜の夜、飲みに行きませんか?お礼に奢ります』
三池からだ。
意外と義理堅い。
うーん・・・・。
2人っきりだと他の女の子にバレたときが面倒だけど・・・・・。
『治って良かった。金曜日、楽しみにしています。時間はまた前日にでも』
メールの返信をしてからスマホを鞄にしまう。
なんとなくもう少し三池を知りたい、そんな気がした。
自分も他の女の子と大差ないなと苦笑し、仕事に向かった。
迎えた金曜日、待ち合わせは銀行から一つ先の駅の改札に19時。
5分前に着くと既に一際目立つ三池が待っていた。そして、その後には同期で、同じ大学、同じゼミだった崎田がいる。