冷たい君の不器用な仮面



***





「……レイ、大人しく休んでるかな」





レイの病院に向かう途中に、1人ぼんやりと呟いた。




強制送還されたって聞いたから、きっとすごい不機嫌なんだろうな…





あんな傷負って、昨日平然と学校に来るなんて……凄いよ。いや、尊敬はしないけど。






空は朱色に染まり始め、日が山の間に沈んでいく。





……そんな綺麗な空を見つめながら、私は歩いた。





……コツ、コツ…






綺麗で静かな空間に、私の足音だけが響く。





……コツ、コツ、ココツ……





__?




……コツ、ココツ、コツ……





__あ、れ?なんか………






……コツ、ココツ、コツ……






この空間って


この雰囲気って


この__……





……コツ、ココツ、ココツ……






足音のずれる音って……!





< 283 / 298 >

この作品をシェア

pagetop