冷たい君の不器用な仮面
「_これで終学活を終わります。気をつけー、礼ー。」
「「さよならー」」
途端に騒がしくなる教室。
私はその中をくぐり抜け、またもやダッシュで玄関へと向かった。
やっと…やっと1日が終わった!
こんなに長かった日、今までで初めてだよ…!
私は解放感に浸りながら、混み合う廊下に足を踏み入れる。
瞬間、ハッとして教室を振り返った。
「太陽ー!先帰るね!」
まだ教科書をバックに詰めている太陽に向かってそう叫び、私は廊下に足を踏み入れた。
「ちょっと待てよ!…って、おい涼那!」
私は太陽の呼び止める声も聞かず、そのまま足を動かす。
…危ない、危ない。言い忘れるところだった。
太陽には悪いけど、正直これ以上太陽を巻き込みたくないし、なんにせよ早くレイの病院にお見舞いに行きたい。
私は人混みを抜け、玄関で靴を瞬時に履き替えると、病院への道のりを猛スピードで走った。