冷たい君の不器用な仮面
「な……んで…、」
辺りが急に暗くなったような気がした。
私はどんどんこちらに近づいてくるいちご頭の男に、固まった体で後ずさる。
どうして?
どうしてもう現れるの……?
だって、レイが助けに来てくれたあの日からまだ三日も経ってない。
なのに…なんで警戒もせずにこんな所に___
「あははっ、びっくりした顔してるねぇ!そりゃそうか~、僕だってこんなに早く会えるなんて思ってなかったもん~」
ゆらゆらと髪を揺らしながら、わたしの周りをゆっくりと回る男。
相変わらず顔には不気味な仮面をつけていて、唯一見える赤い目が私を舐め回すように見ていた。
「あれぇ……もうちょっと大きい反応してくれると思ってたんだけどな~。……あの黒髪の男のおかげかなぁ?」
私の目の前でぴたりと止まり、しゃがみ込んで私を見上げる男。
…………え
そんな男の言葉に、私は背筋がスッと冷たくなった。