冷たい君の不器用な仮面
プルルルル……
静かな空間の中に、スマホの着信音が鳴り響く。
レイはポケットからスマホを取り出し、画面を確認した。
でもレイは電話に出なかった。
着信音が鳴り続ける中、ポケットにスマホをしまう。
「……いいの?」
私はスマホに目を向けた。
「……気にすんな」
レイはそれだけ言うと、何事もなかったかのように頬杖をつきコーヒーを飲み始めた。
「……何で出ないの?」
私は気になり、またレイに問いかける。
すると、しつこかったのかレイは あ?
と不機嫌な声を出した。
「お前に関係ねェだろ」
関係ない。
そう言われてしまえば、もう何も言えない。
だって実際そうだから。
……でも……さ
私はモヤモヤする気持ちを抑えながらも、それ以上何も聞かず、黙ってレイの横顔を眺めていた。