私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
今は無理でも、季龍さんのお母さんは自分を取り戻してくれる。
そう確信できる。そう感じさせるだけの思いはあのノートから感じられた。
季龍さんの手を握る。揺れる瞳の中に私がいる。だから、精一杯微笑んだ。
「また、会いに行きませんか?」
「…あぁ」
頭に手を乗せられる。少し頼りない。でも、私が好きな手だ。
されるがままに撫でられていると、頬に手を添えられる。近づいてくる季龍さんに自然と目を閉じる。
「若~!ここちゃ…」
スパーンッと開け放たれた襖。思わず開いた目。
うっわお、季龍さん近い…てか、本当に顔きれい…。
ってあれ、これどういう状況…?
徐々に季龍さんが殺気づいていくのがわかる。離れようとしたけど、逆に引き寄せられて季龍さんの腕の中に納まる。