私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)
行き違いになっちゃっただけかもしれない。
嫌な予感は、ほぼ確信になっていくのが分かる。
でも、それを受け入れられなくて、悪あがきをする子どものように取って付けた言い訳にすがりついて。
来た道を戻り、お父さんの病室がある病棟まで戻る。でも、どこを見ても季龍さんの姿はない。
…時間がかかるかもって、親子水入らずの時間を作ろうって、声をかけ忘れて離れただけ?待っていたら、迎えに来てくれる?
そうだよ。だって、季龍さんは後で来るって言ってたもん。季龍さんが、約束を破ったことなんか1回もなかった。だから…。
「あ、宮内さんの娘さんですか?」
かけられた言葉に大袈裟に肩が跳ねる。振り返ると、看護師さんが1人、私を見つめていた。