私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

そうこうしている間にエレベーターが到着して、乗り込むなり4階を押す。

下降していくエレベーターの中で、ふと降りた先に先生がいたらどうしようと思い立って冷や汗をかく。

言い逃れ出来ない…よね?現行犯だもんね??

いや、待てよ。1階で飲み物買おうとしたという言い訳を…。と考え付く間もなく1階のボタンを押した。

ほぼそれと同時に到着を知らせる音が鳴って、心臓がバクバク音を立てているのを自覚した。

ドアが開いて、そっと外を覗くと、壁にもたれた季龍さんの姿を認めてほっとした。

駆け寄っていくと、壁から背を離して迎えてくれた。

「季龍さん」

「何やってた」

「ボーッとしてました」

「何しに来たんだよ」

「季龍さんは何やってたんですか?」

「…何も」

「人のこと言えないじゃないですか」

「俺はいいんだよ」

笑っていると、季龍さんも笑ってくれる。
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