私のご主人様Ⅴ(SS?投稿しました)

たわいもないのに、安心する。

あぁ、そっか。季龍さんと離れてる間ずっと緊張してたんだ。

簡単なことに気がついて、これがあと2日もあるんだと思うと少しだけ気が重たくなった。

「琴音?」

「…季龍さん、明日……」

と話しかけたところで足音が聞こえてきてさっと青ざめる。

エレベーターを見たけど、この階からは離れてしまっていて、間に合わない。

どうしようと思ったよりも早く季龍さんに手を引かれる。

足音とは反対に進むけど、曲がり角はほとんどなくて直線に部屋が並んでいるだけ。

季龍さんは迷わず1番手前のドアを開け、中に入るなり後ろ手に鍵をかけてしまった。

中は真っ暗で、何も見えない。でも、少し埃っぽい臭いがする。…ここ、何室?

徐々に目が慣れてくるのを待っていると、力強い腕に包まれた。
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