医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


『早く学校に行きたい。みんなとサッカーやるんだ』
『学校の給食、早く食べてみたいな。友達が、すっごく美味いって言ってた』


小学校入学前から入院生活が始まったらしい航くんは、まだ校庭を走り回ったことも、教室で友達と共に給食を食べたこともない。

元気になったら――そんな話をすると決まって小学校に行けたらの夢を語ってくれた。


「……いっ、いた!」


だから、もしかしたら行くはずの小学校にふらっと行っているのかもしれない。

航くんと今まで話してきたことを思い返すと、〝小学校〟しか浮かんでこなかった。

やっと見つけた航くんは、誰もいない小学校の校庭をじっと見つめていた。

フェンスに両手をかけ、ここから見える横顔は真剣で、声を掛けるタイミングを失う。

でも、視界の端に私たちを捕えたようで、バッと勢いよく顔を見せてくれた。


「白雪ちゃん……」

< 105 / 130 >

この作品をシェア

pagetop