医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
航くんに名前を呼ばれた瞬間、私は地面を蹴って走り出していた。
驚いた顔でこっちを凝視する航くんを、両手を広げて抱き寄せる。
ぎゅっと無事を確認するように抱き締めていた。
「良かった……良かったよぉ、航くん……」
限界まで張り詰めていた糸が急に緩まったように、安堵から自然と涙が流れ出ていた。
抱き締めた航くんの身長はちょうど私の胸元辺りで、こうしてみるとまだまだ小さい。
自分に押し付けるように腕に力を込めて私を、航くんも細い腕で抱きしめ返していた。
「白雪ちゃん……泣いてるの?」
腕の中からもぞっと顔を上げた航くんが、眼下から私を見上げる。
「泣くよ! 泣くに決まってるでしょー! 心配したんだからね!」
泣いてしまったことを隠さず訴えるように言葉を並べた私に、航くんは「ごめんなさい……勝手に、病院から出て」と小さく謝った。