医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
「もっと、話を聞いてあげてれば……こんなことになってなかったかもしれないのに……」
泣いたって何も解決しないし、こんな時に泣くのはずるい。
そう思っているのに、胸が圧迫感に襲われ苦しくなってきて、息がつまる。
奥歯をぐっと噛み締めて堪えた私に、「そんなことない」と、天笠先生は私の両肩を掴んだ。
「一番あの子の信頼を得て、寄り添ってきたのは君だ」
置いた両手で諭すように肩を揺すられ、先生は長身を屈めて真っ向から私の目を見てくる。
その強い眼差しに、弱りかけていた気持ちが奮い立たされていくのを感じた。
「航くんが行きそうな場所とか、心当たりあるところとか、ないのか?」
「心当たり……」
「普段話していたことの中に、何か手掛かりがあるかもしれない。何か思い出してみるんだ」
焦燥感に襲われながらも、今まで航くんと話したことを必死に思い出していく。
「……あっ、もしかしたら――」
思い浮かんだ場所に向かって、全力疾走で駆け出していた。