医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛


予想通り、私の隣に腰を下ろした師長は、穏やかに天笠先生との会話を繋いでくれた。

うちでの仕事はどうですか?から始めて、前にいた病院のことを聞いてみたり。

その間、私はせっせと食事に専念し、早く食べ終えてこの場を師長に任せて退散しようと思っていた。

こんな日に限って、どうしてカツ丼なんてボリュームのあるものを頼んだんだと自分を責める。

スタミナ回復なんて思ってのチョイスだったけど、こんなことになるならうどんとかサクッと食べられるものにするべきだった。


「じゃあ、同じ新人ってことで、白雪さんに先生のことサポートしてもらいましょうね!」


やっと最後のカツを口に入れるだけというところで、師長の口から聞き捨てならない言葉が飛び出した。


「ね、白雪さん。いいわよね?」


どこからそんな話になっていってしまったのかよくわからなかったけど、師長は機嫌よく隣の私に微笑み掛ける。


「え、でも、私なんかよりも、先輩方の方がそういった役目は……」

「大丈夫よ、うちでの仕事がしやすいようにお手伝いすることくらい、あなたでもできるでしょ? 初日から二人でお昼一緒に食べているくらいなんだから、ね!」


いや、師長、お昼を一緒に食べていたわけではなく、この先生が勝手に私の前に!


とはまさか言えず、「……はい、わかりました」と答えるしかできなかった。

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