私の失恋の行き着く先は…No.5
寂しいと口にすれば、陽亮さんを困らせてしまう。
そう思って、一度も寂しいとは言えなかった。
陽亮さんの前では決して涙を見せなかった。
いつも笑って過ごした。
出発の日の天気は晴れで、雲ひとつない青空が広がっている。
「晴れて良かったね」
「そうだな」
他愛もない会話をしながら、出発ロビーに到着した。
言いたいことはたくさんあるのに、なにひとつ言葉が出てこない。
身体に気をつけて、とか。
電話するね、とか。
メールするね、とか。
ううん、違う。
それも言いたいけど…。
本当は凄く寂しい、とか。
会いに行きたい、とか。
好き、大好き、愛してる、とか。
待ってるから、とか。