セカンド・ファミリー(新バージョン)

「お疲れ様です。見事でした」

私は、精一杯労った。
すると私を見るなりニコッと微笑んでくれた。

「ありがとう……春花。
君があの時……手を差し伸べてくれなかったら
怒りをぶつける所だった」

お礼を言ってくれる。

「いえ……私は何も。
全て和也さんが乗り越えたからです」

私は、慌てて弁解した。

私は、何もしていない。
ただ心の中で応援していただけだ。
トラウマを乗り越えられたのは、和也さんの力だ。

「いや……君の力でもある。
あの時……確かに伝わったよ。頑張れって
俺を応援してくれた」

和也さん……。

「春花が家族になってくれて本当に良かった。
ありがとう……春花」

ニコッと微笑んでくれた。

家族……?

嬉しいはずの言葉なのに和也さんに言われると
胸がズキッと痛んだ。

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