セカンド・ファミリー(新バージョン)

だがすぐにハッとする。

私は、気持ちの裏腹な事を口に出してしまった。

「あの……」

和也さんは、凄く切なそうな表情をしていた。

傷つけた……!?

私は、馬鹿だ。大馬鹿だ。
そんな事を言ったら……和也さんが悲しむって
知っているはずなのに。

家族を大切にする人なのに……。

関係ないと言われたら拒絶されたみたいで傷つく。
そんなこと……嫌ってほど味わってきたはずなのに。

どうして……私ってこうなのだろう。

結局は……あの人達と同じなの?
私も両親みたいな嫌な人間に
なって行くのだろうか。

私は、居ても立っても居られずに
部屋から飛び出した。

「春花!?」

名前を呼ばれるが立ち止まれなかった。

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