セカンド・ファミリー(新バージョン)

すると和也さんは、何も言わずに
私を思いっきり抱き締めきた。

「か、和也さん!?」

あまりにも急に抱き締めてきたので
驚いてしまう。

「お前が居なくなったのが分かると
慌てて捜そうとしたんだ。そうしたら
母さんがあそこに行きなさいと言われた。
もしまた自殺を考えているのなら
あそこに行くはずだからって」

奥さんが……!?

「頼むから……変なまねをしないでくれ。
俺は、お前が死ぬなんて……耐えられない。春花」

ギュッと力強く抱き締めてくる。

身体がガタガタと震えているのは……私ではない。
和也さんだった。

「ご……ごめんなさい……」

あぁ、また迷惑をかけてしまった。

申し訳ない気持ちで居ると和也さんが
こちらを向き直し

「春花。ちょっと……付き合ってくれ」

そう言うと私の手を取り歩きだした。

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