セカンド・ファミリー(新バージョン)
ズキッと胸が痛んだ。
「梨香を捜したが結局見つからず
今は、どうしているのかも分からない。
多分…新しい男の所にでも居るのだろうな。
アイツも自分の親と同じ事をしたんだ。
自分の勝手な都合で産み。
自分の勝手な都合で傷つけ捨てた」
「杏梨がどんな思いで…帰りを待っていたか
考えもせずに」
そう言った和也さんの表情は、眉を寄せて
怒りをあらわにしていた。
グシャッと持っていたタバコの箱を潰して
「…………。」
確かに親は、勝手だ。
自分の意思がない事をいいことに
自分の都合で子供を作り産む。なのに
都合が悪くなると勝手な理由をつけて捨てる。
私達の意思を無視して……。
どうしたら必要とされるのか分からずに。
「……俺達は、他人同士の集まりだし
世間から見たらおかしいのかも知れないが
俺達にとったら、それでもお互いに必要としている
大切な家族なんだ」
「春花にとっても……いつかそう思ってくれたら
嬉しい。じゃあ、おやすみ」
和也さんは、そう言って静かに笑うと
私の頭をポンポンと撫でて自分の部屋に
入ってしまった。
まるで励ましてくれたかのように。