セカンド・ファミリー(新バージョン)

「失礼承知で言います。
お願いします。私に……お金を貸して下さい」

和也さんのお父様は、和也さんに
会いに来たのではなくお金を借りに来たのだ。
旦那さんに土下座しながら頼み込んでいた。

「頭を上げて下さい。
一体……何があったんですか?」

思わない訪問客に旦那さんは、戸惑っていた。

「実は……」

事情を説明をしてくれた。
だがその事情は、あまりにも身勝手だった。

和也さんのお父様は、中小企業の社長。
しかし不渡りを出して倒産寸前らしい。

多額のお金が必要なり
いろんな人にお金を借りていた。

その中で息子だった和也さんが
成瀬グループの御曹司として引き取られた事を
思い出してわざわざ自宅まで訪問したと
いうことらしい。

私は、それを聞いてあんまりだと思った。
この人は、和也さんの事を
どう思っているのだろうか?

聞いている内容からだと一度も会いに
来なかったようだ。なのに
お金のためだけには、会いに来れるという神経。
信じられない。

怒りが込み上げてくる。

まったく関係のない私すら怒りを覚えるのだ。
和也さんがこれを知ったらどう思うのだろう。

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