セカンド・ファミリー(新バージョン)

「これだけは……言えます。私は、
あなた方に命を救われました。
自殺をしようとした時に止めてくれたお義母さん。
家族に受け入れてくれたお義父さん。そして
和也さんと杏梨ちゃん」

「ここには、たくさんの愛情があります。
私がずっと欲しかった……家族の姿でした。
頼って下さい……私も家族の一員として
あなたの支えになりたいです」

涙を流しながら伝えた。

口下手な私は、上手く伝えられたか分からないけど
気持ちを伝えることが出来たと思う。

「……春花……」

そうしたら

「そうよ……和也」

いつの間にか奥さんがベランダに来ていた。

「母さん……」

「勝手に入ってごめんなさい。どうしても
あなたの事が気になって……。
和也。あなたには、もうすでに家族が居るわ。
だから何も怖がる必要なんてないの」

奥さんは、そう言うと私達に近づき 
そして私も含めて和也さんをギュッと
抱き締めてくれた。

「可愛い……私の子供達。
和也も春花も私の大切な子供なんだから
迷ってもいいの。
悩んでたくさん経験をしていつか巣立ちなさい」

< 86 / 131 >

この作品をシェア

pagetop