セカンド・ファミリー(新バージョン)

「でも、忘れないで。
遠くに離れていたって私達は、あなた達の事を
愛しているわ。
帰る場所は、ここにあるの」

優しく語りかけるように言ってくれた。
温かくて……涙が出るぐらい嬉しい言葉と
ぬくもりだった。

「……母さん……」

「お義母……さん」

「ほら、笑顔を見せて。
あなた達は、涙より笑顔が似合うわ」

ニコッと笑うと
私と和也さんの手に何かを持たせてくれた。

持たされた右手を見ると飴だった。

「イチゴミルク……?」

「これは、お父さんからよ。
さぁ、下におりていらっしゃい。眠れるように
温かいホットミルクと軽食を作ってあげるわね」

そう言うと部屋から出て行った。

私は、イチゴミルクの飴を見ていると和也さんが

「それ、父さんが好きな飴なんだ。
何故だか俺が落ち込んでいたり
自暴自棄になっている時にいつもくれる」と
説明をしてくれた。

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