ダメ。俺のそばにいて。




想像以上の忙しさに正直てんやわんや。




やっと少しずつ慣れてはきたけど…。





「かしこまりましたっ、バナナキャラメルと苺チョコクリームを1つずつですね!」




メニューを復唱しながら、チラッと教室後方に視線を向ける。




教室の中にまでずらっと並ぶ列は、スペシャルメニュー特典の待機列。




そして、そのほぼ全員が茉優と撮るのを期待しているっていう人気ぶり…!




おかげで茉優は接客には全然来れなくて、もはや写真撮影会になっていた。




まあ、テレビのアイドルよりも可愛いあの顔面の強さなら、こうなるのも頷けるっていうか、当たり前っていうか。





「これ、注文、お願い!」




「任せて!あ、これ、5番テーブルのクレープ!」



「了解!」




厨房とやり取りしながら、出来立てのクレープを運ぶ。



「お待たせしました〜!」



「わぁ〜、赤ずきん可愛いですねっ。」



「ふふっ、ありがとうございます!」




忙しいけど、お客さんと喋ったり、いつもと違う自分になりきれたりするのは楽しいな。




< 117 / 175 >

この作品をシェア

pagetop