ダメ。俺のそばにいて。





ギュッと目を瞑った途端、真横になにか気配を感じて。




周りの女の人が「キャアッ…!」とざわめきたつ声ともに、掴まれた力が弱くなった気がする。




「え…、難波くん…!?」




思わず目を開くと、新撰組姿に身を包んだ難波くんが、私と男の子の間に立っていた。




私を掴んでいた手は、難波くんが握り上げる。




「いったっ…!離せよ!」



「ああ、すみません、力を入れすぎました。うちのクラスメイトが嫌がっていたもので。」




「嫌がってたって…、別に話してただけだろ!」




「話してただけって、相手が不快に感じたら十分嫌がらせなんですよ。」




綺麗な顔でニッコリと微笑む難波くん。




でも…、目が笑ってない…!怖い…!





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