ダメ。俺のそばにいて。
「それに、そんなに怒ってたらせっかくの可愛い顔が台無しですよ?俺なら、そんな顔させないのに。」
難波くんがそう言った途端、先輩達がカッと顔を染める。
それは羞恥なのか照れなのか…どっちなんだろう。
だけど、それが決め手になったのか「もうっ…知らない!勝手にすれば!」と言って先輩達は去っていった。
「んー、ばいばーい。……ははっ、にしても茉優ちゃんは気苦労が絶えないねえ。」
ゆるく手を振った難波くんは、こちらを振り返る。
正直、難波くんが女の先輩にあんな風に言うのは驚いたけど、少し助かったかも。
「ありがとう、難波くんっ、助けてくれて。」
「別にいいよ、茉優ちゃんの力になれたなら光栄だなあ。」
…あれどうしよう、私今空気と化してる。
ぼんやりしてる間に、完全に2人だけの空間が出来上がったみたい。
美男美女同士、お似合いすぎて眩しい。
あ、えっと、どうしよう?お邪魔?消える?