ダメ。俺のそばにいて。





私が後ろで1人アタフタしている時、茉優が何かに気づいた声を出した。



「難波くんっ、その手…。」


「え?ああ…、別に大丈夫だよ。気にしないで。」



手…?


導かれるように視線を追えば、ほんのりと赤くなった手の甲が見える。



そういえばさっき、先輩が叩いた時かなり大きな音がした…よね。



私は何も痛くなかったけど。



…待って、まさか難波くんが叩かれてた…?



いや、冷静に考えればそうでしょ!なに和の若様に身代わりさせてるの私のバカ!!



茉優みたいに守ってもらって当たり前の女の子じゃないのに!



「ごめんっ…難波くんっ、大丈夫!?保健室…っ、」



「え、いや、これくらい別に平気…」



「茉優!ごめんだけど先教室行ってて!手当してくる!」




なんか難波くんの言葉も遮っちゃったけど、そんなの構ってられない!



もし難波くんの手の甲に何かあったら、イケメン大好きな真音に耳にタコができるほど何か言われるに決まってる!



タコ好きだけどね!お寿司美味しいよね!って言ってられるか!!




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