ダメ。俺のそばにいて。




さすがにここまで自分の存在感がないと笑えてしまう。




「ん?なに笑ってんの。」


「ううん、別に。さすがの難波くんも私のこと知らないんだなーって思って。」



学年全員の女子のプロフィール把握してるって噂もあったくらいだったからね。



まあ、私と喋ったことなかったんだけど。



そんなことを考えていると、目の前の椅子に座った難波くんが立っている私に向かって手を伸ばしてくる。


そのままスッと私の髪の毛を、片耳にかけた。



「うん、知らない。だから教えて?星玲奈ちゃんのこと。知りたいから。」



そう言って、綺麗にふっと微笑む。



このひと……、何言ってるの…!



ボッと顔を赤くした私を見て、楽しそうな顔をした。



さすがプレイボーイ…、油断ならない!



数秒前まで私の名前も知らなかったのに…!!



< 42 / 175 >

この作品をシェア

pagetop