ダメ。俺のそばにいて。
戸惑ってるうちに、整った顔が目の前までやってくる。
それに慌てて目を伏せると、クスッと笑われた。
「かーわいっ。なんで俺、星玲奈ちゃんのこと今まで知らなかったんだろうね?もったいなーい。」
「そ、そんなことどうでもいいし、からかわないで…!」
「んー、別にからかってないよ?女の子が可愛くないわけないでしょ。」
ああ、ダメ、この人何言っても通じない!
男の人に免疫がないせいで、久遠くんといい振り回されてばっかりな気がする…!!
なんだか悔しくて、難波くんをじっと見つめ返す。
すると、一瞬だけ動きを止めてヘラっと笑った。
「ふはっ、じゃあ今日はこれくらいにしとく。手当てありがとね。」
そう言って立ち上がった難波くん。
私の横を通り過ぎようとした時に、ハッとあることに気づいて彼の背中の裾を軽く掴んだ。