ダメ。俺のそばにいて。
「星玲奈、今から帰るとこだよね?一緒に帰ろ!」
「あ、うん。えっと、久遠くんは…」
「久遠くんも電車通なの?じゃあ駅まで一緒にいこ!」
す、すごい…。
昔から人見知りをしない茉優は、距離の縮め方が異常に早い。
もはや新幹線並み。
まあ、こんな可愛い子にそんなことされて、嫌な男子がいるわけない。
現に久遠くんも頷いて、駅の方向へ一緒に歩き出す。
横並びになってるけど、私と久遠くんの間に茉優が入った。
「久遠くんのクラス、イケメンBARやるんでしょ?」
「……いや、初耳。」
「え?実行委員が言ってたよ?久遠くん筆頭にめちゃめちゃ稼ぐ〜!って。」
そういえば前に、何やるの?って聞いたら「さあ」って言ってたな。
いや、今でも知らなかったんだ…、って大丈夫なの、それ。
なんて思いつつ、ふふっ、と声が漏れる。