暗闇の中に放たれた光~完全版~
触るな、と思って反応したのか、それとも聞いたことのある声と思い反応したのか。

俺は顔を上げた。

上げてしまった。

倒れたさっきの女性が俺の物をとったのはわかった。

だが、その女性が担任の先生であることに、すぐに理解ができなかった。

彼女は目を大きく開けたが、すぐ目を細め、口角を上げた。

時間は3秒もないだろう。

だがその3秒は俺にとってとんでもなく長い苦痛の時間に感じた。
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