学校一の人気者に告白されました
「どっちの方が好きとかどーでもいいけどねー」



冗談っぽく言うから、クスッと笑ってしまった。



「くっつきすぎだろ。やんなるな~。なにコソコソ話してるんだよ」



陽向くんの友達が冷やかすけど、言うほどの内容じゃないからなんとも言えない。



黙っていると、続けて陽向くんが囁く。



「これから、もっともっと…俺に夢中にさせる」



ドキッ。



そしてあたしから離れるとポンと膝を叩いた。



「やっと機嫌なおったな」



そうだった…ムッとしたことすっかり忘れちゃった。



ニヤけてるかもしれない顔を引き締める。



そうだよ…これは聞いておかないと。



「あの女の子たち…」



フェンスの向こうを指さす。



「ん?あぁ、誰か目当てのやつがいるんだろ?」



誰かって…まさか気づいてない?



< 238 / 279 >

この作品をシェア

pagetop