夜桜は山奥の
「桜、まず挨拶しにいこう。
ここの家の主は私の祖父。
祖父はいつも居間にいるよ。
ここ、入って」

居間にはお爺さんが新聞紙を見ている姿があった。

「お邪魔します…。」

結構風格あって厳しそうなお爺さん。

「そこに座りなさい」

「はい…。」

響花は部屋を掃除してくると居間を出た。

「いきなりすみません…。」

座布団の上に座った。

「名前は?」

「白石桜、です。」

「そうか…。」

お爺さんは考え込んだ。
私を知ってる…?
そんなことより、ここのことを聞かなくては。

「私、目が覚めたら向こうの森に横たわっていて…。ここはどこなのですか、本当に記憶がなくて」

「やはりそうか…。
君は知らなくていい。ここがどこか知ったところで君はここから出ることはできないだろう。
1つだけ教えるとすればここは私の山だと言うことだ。
どうしてもここを出たいなら言ってくれ。私は大歓迎だよ。」

知らなくていい…知ったところで出ることができない…?それはここが山だから?
この人の言うことを信じることしかできなかった。

「…ありがとうございます。
よろしくお願いします。」

今になって不安になった。
でも逃げ場は無い。
ここに身を委ねるしかない。

響花が戻ってきた。

「桜、そんなガチガチにならないでいいのに。本当に何もしないし安心して。特訓はするかもしれないけどね?」

「特訓って、私も馬に乗ったりするの?」

「もちろんね、理由は後で爺さんから聞いて。先にお風呂入っておいで!」

そして響花に言われるがままお風呂に入った。

お風呂にはシャワーがあった。
そういうのはあるんだ…。
そういえば普通に電気もついたし家電もあったな。

久しぶりのお風呂に感動した。

特訓か…
なぜするのか…。



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