魔法界の魔法使いには人間界の魔法使いに負ける落第生がいます
「昨日の期末試験、どうだった?」

「良くもなく、悪くもなく・・・・・・ね」

「んな事言って、毎回一位かっぱらっていくのはどこのどいつだよ」

「あら、そうだったかしら?」

会話をしながら、あたしと美里は五年生の教室、あたしたちのクラスにたどり着く

「おはよう、聖理奈、美里」

ドアの近くにいた杏奈が挨拶をしてくれる

「おはよう、杏奈」

「はよ・・・・・・ん?春香は?」

「春香は、先生のプリント運びを手伝ってる」

いつも一緒にいる春香について美里が聞くと、杏奈は静かに答えた

ふふ・・・・・・春香らしいわね

あたしたちは席に着き、杏奈は机の前に立った

「昨日の期末試験、難しかったわね」

「そうね。特に最後の特別テストが」

「だな」

杏奈もそうでしょ?と聞こうとして、顔を上げると

彼女らしからぬ、ぽかんとした顔であたし達を見ていた

「どうかしたの?」

「特別テストなんてしてないわよ」

きっぱりと、言いきられた

「え?」

「いや、んなわけねぇだろ。特別系の全員で放課後やったぞ」

訝しげな顔で杏奈を見つめる美里

そうそう、あたしの右隣の椅子、空いてるのよね。このスペース

ここに座ればいいのに・・・・・・杏奈はなんで座らないのかしら?

とかなんとか思いつつ、あとで水野先生に聞いてみなくては

「水野先生に確認しましょう」

「だな。テストの内容が違うとなれば問題だろ?」

「そうね」
< 168 / 196 >

この作品をシェア

pagetop